第3章 (彼氏との仲)

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あれから30分が経ち、ルナはかざしていた手を下ろした。 「ちひろさん、ゆっくり目を開けていいで」 (ルナ、初めて名前で呼んだな) (うるさい) 「うん、何だか凄くいい気分。ありがとう。これがルナちゃんが言ってた魔法なんだね」 初めて見るちひろの笑顔に、ルナは戸惑いをかくせなかった。 (悔しいけど美女は認めるわ) (偉い、ルナ。俺としては残念な気もするが……。せっかくのチャンスだったのに……。でもちひろが笑顔になったからよしとするか) レイはこの光景に満足していた。 「ちひろさん、これあげるわ」 ルナは鞄から赤い袋を出し、その中から水晶玉を一つ取り出して、ちひろに手渡した。 「ちひろさんの願いが叶うまで、これ持っといて。まぁ、お守りみたいなもん」 ちひろは水晶玉を受け取りにっこり微笑んだ。 「うん、分かった。色々ありがとう。ルナちゃん」 そう言うと、ちひろはベンチから立ち上がった。 「いつもポジティブな気持ちを忘れないようにな」 「うん」 そして、ちひろは大きく手を振りながら、公園を出て行った。
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