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次の日、二人(一人と一匹)は夢の国にむけて出発することにした。
ルナは腫れ上がったまぶたを、冷たいタオルで押さえている。
何だかデジャブのような光景だった。
(ルナ、本当に今後こそは俺に任せてくれないか?あれから何日経ったと思ってるんだ)
(ん?どれくらい経ったんやろ。でもまだ一ヶ月は経ってないから大丈夫やん)
(一ヶ月だと?)
(ごめん、ごめん。ちょっと盛りすぎたわ。そんなに経ってないよ)
(お前、まさか……)
とうとうレイが、ルナの方向音痴に気付く時がやっと訪れたのか?
(まさか……夢の国の場所、知らないんじゃないのか?)
(そんな訳ないやん。私を誰だと思ってるんよ。ルナ様やで。無駄口たたいてないでさっさと歩かなほっていくで)
(待てよ。お前、本当に場所を知っているのか?おーい)
レイはルナの後を追った。
(何回も言わせやんといてよ。私はルナ様やで。不可能なんかないんよ)
二人はまたしても夢の国からどんどん遠ざかっていた。
ルナが方向音痴だと気づく日は今回も訪れなかった。
一体いつになったら二人(一人と一匹)は夢の国に辿り着くのだろうか?
今度はどこに向かっているのだろうか?
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