第4章(家族との絆)

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(今日、何しよ) ルナは真剣な顔をした。 そして、ゆっくりと目を閉じた。 ルナは食べ物で一切妥協はしない。 食べたい物を食べたい時に食べるをモットーにしていた。 (唐揚げは?) レイは食べたくて仕方がなかった。 なので、ルナにほとんど毎日、唐揚げを提案することにしていた。 が、今まで一度も食べられたことがなかった。 レイは唐揚げをいつか絶対に食べてみせるをモットーにしていた。 (もう食べ飽きたわ) この言葉を聞いて、レイは(終わった)落胆した。 (今日、トンカツにするわ) その瞬間、ルナの膝の上に、白いトレーが現れた。 トレーの上には白いお皿とお碗と透明のコップと黒いお箸、その横に青い容器が二つと水のペットボトルがあった。 白いお皿にはキャベツの千切り、レモン、カラシとトンカツソースがかかったトンカツにご飯、お碗には豚汁が入っていた。 青い容器の一つにはドックフード、もう一つの容器は空だった。 ルナは透明のコップと青い容器に水を入れて、レイの前に置いた。 (これがトンカツなのか!) 初めて見るトンカツにレイは魅了された。 レイのモットーがこの瞬間から、唐揚げからトンカツに変わったことは言うまでもない。
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