第4章(家族との絆)

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二人(一人と一匹)は食べ終わった後、運動がてらに公園の浄化を始めた。 この公園の木も、夏だというのに元気がなかった。 ルナが木に手を当てると、青々した葉をどんどんつけて、元気を取り戻した。 レイは木の近くの地面を掘り光の玉を埋めている。 公園の半分の木が甦ったくらいで、二人は一旦休憩することにした。 木陰でも夏の日差しは強く、暑さになれていない二人(一人と一匹)には相当きつい。 (レイ、お水飲む?) ルナはベンチに座って汗を拭いた。 (あぁ) (あぁ?) ルナの低いドスの効いた声にレイはブルっと震えた。 (いえ、間違えました。お水を頂きたいです) (今度そんな偉そうなこと言うたら、どうなるか覚えときなーよ) (かしこまりました) ルナの膝の上に水のペットボトルが二本と青色の容器が現れた時、男性が目の前のベンチにドサッと座り込んだ。 見た目は30歳後半で、決してイケメンとはいえない顔つきで、グレーのスーツもワイシャツも身に付けている服は汗でびっしょりになっている。 ハンカチで顔や首の汗を拭いているが、次から次へと汗が止まらないようだった。 ルナは容器に水を入れてレイの前に置いた。 残りの水を一気に飲み干しながら、ルナは横目でその男性を見ていた。 (ルナ、あの人ヤバそうだな。残りの水あの人に渡したら?) (うん、そうやなぁ) ルナが椅子から立ち上がった瞬間、突然男性の体が傾き椅子から落ちた。
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