第1章(友達)

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その日の午後、いえりがまこと手をつないで公園にやってきた。 (良かった。仲直りできたんや) (みたいだな) いえりはルナの方を見て、にっこり微笑んだ。 「ルナちゃん、一緒に遊ぼう」 「え、いいん?嬉しい」 それから、三人でかくれんぼや鬼ごっこをして楽しい時間を過ごした。 その間、レイがルナの後をずっと追いかけて(俺もまぜろ)と言っていたが、ルナは聞こえない振りをし続けた。 「そろそろ帰らないと……」 いえりの一言で、その場はお開きになった。 「ルナちゃん、ありがとう。また遊ぼうね」 「うん、いえりちゃん、まこちゃん、また遊ぼな」 ルナはいえりとまこに手を振り、笑顔で答えた瞬間、いえりのスカートから光の光線が出て、空高く消えていった。 いえりとまこは急に驚いた顔をして、ルナを避けるように公園から出て行った。 「あっ……」 (ルナ、仕方ないよ。俺達はいずれ地球を去るのだから) (なんか悲しいなぁ。地球で初めての友達が出来たと思ったのに) (お前、もしかして泣いてるのか?) (まさか、泣くわけ……) ルナの頬に涙が一粒こぼれ落ちた。 (鬼の目にも涙か?) (うるさい、泣いてないって言うてるやろ) ルナはレイを蹴ろうとしたが、素早く逃げられてその場に転けてしまった。 「レイのバカ!」 (バカ違う) レイはルナの周りをくるくると回った。 ルナはその場に寝転がり、空を見上げた。 (いえりちゃんが忘れても、俺達が覚えているからいいんじゃないか?) (……うん、そうやな。たまには良いこと言うやん) (そうだろう、たまにではないけどな) (たまにやん) (たまにと違う) (たまにやん) (だから、たまにと違うって) 二人は言い合いをしながら笑った。 空が夕日で真っ赤に染まってきていた。
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