悪役令嬢な義姉はーーーーー天使な義弟にメロメロです。

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お父様である、ダリィ・イリス・グレンダール伯爵は「今日から私達の家族になる、アデルだよ。仲良くしてあげて。」と一人の男の子を我が家に連れてきた。 その男の子は、輝かしい金髪に眩い碧色の瞳、ビスクドールのように美しい男の子でした。 兄のシャルマン・イリス・グレンダール(シャル)と私キャロライン・イリス・グレンダール(キャル)にそう言った。 『アデル?』ーーーーー?キャロラインは不思議と聞いた事のある名前に、何故か見覚えのある、天使のように美しい男の子。 兄様と顔を見合せーーーーー兄は父様にこう言った。 「お父様。アデルは、お父様の隠し子ですか?」 そにの言葉に驚くお父様。 子供から、衝撃的な辛辣な言葉にものすごく衝撃を受けていらした。 「ちっ、違うよ。僕が愛してるにのは、君達のお母様マリンだけだよ。アデルは、暫くこのグレンダール伯爵家で預かる事になったんだよ。」と焦ったように説明なさった。 『じゃあこの子は、誰と誰の子なのかしら?』キャロラインは十歳の子供らしい女の子だったが、侍女達のおしゃべりを聞いた意味知らずの耳年増でした。 兄のシャルマンは、キャロラインより二歳年上で、しっかりした男の子。 「どうしてーーーーー?私達のお家にきたの?」キャロラインは可愛い顔をこてんとかしげた。 「あぁ、こてんと傾げたキャルはなんて可愛いんだ、」キャルの可愛いさに父は悶絶していた。 「ーーーーーお父様の隠し子じゃ無ければ、何処の誰です!」お兄様はお父様に詰め寄った。 「それは、又おいおい説明するよ。ぇえっと、それじゃお互いに自己紹介をしようか。」お父様は話題を変えてきた。 お父様は、アデルに挨拶するように促した。 「アデルです、よろしくお願いします。」 アデルは貴族の令息らしく礼をした。 兄のシャルマンは、自己紹介し「よろしく、仲良くしよう」と握手している。 『思い出したーーーーー!』と言うより、いろいろと降りてきた。 アデルの声を聞いて、衝撃を受けた! ここが、この今生きているこの世界が前世の小説『ブルームーンで抱きしめて』である事をーーーーー。 そして私、キャロライン・イリス・グレンダールは、十六歳のデビュタントでヒロインユリアスに数々の嫌がらせした罪でラビン王子とアデルに断罪され、アデルに剣を振り上げられて殺されることをーーーーー。 十歳のキャロラインである私は、これから起こる悲劇に堪えきれず、「うわ~ん」と泣き出してしまい、その場で記憶が千切れたーーーーー。 いわゆる、衝撃的事実が頭で処理出来ずに気絶してしまったのだーーーーー。 心は大人でも身体や、頭はお子様だからかしらーーーーー。 ーーーーーーーーーーーーー あぁーーーーー、頭が痛いわ~。 さっきのは夢だったの? 『ブルームーンで抱きしめて』乙女小説の天使のような美形キャラのアデルがグレンダール伯爵へきて「義弟」になったようなーーーーー。 正かねーーーーーだって私は、日本という国にで、中小企業の事務員で、天野美智子(二十三歳)だったはずーーーーー ーーーーーが気がついたらこんな小さな女の子になっていた。 それも飛びきりの美少女よ、漆黒の黒髪に琥珀色の瞳。白く輝く肌に、薔薇色の頬にチェリーのような唇。 『私ーーーーー死んだの?』 なぜ死んだのか思い出せない。 でも死んだんだ! 乙女小説やゲーム特有の「聖女」として呼ばれた訳でも無い。明らかに別人として生きていた。 十年間キャロライン・イリス・グレンダール伯爵令嬢として、そして今日 「アデル」と出会いーーーーー記憶がよみがえった! よみがえったお陰で、「アデル」から「断罪」されないよう出来るんだ! スッゴイチャンスよ、キャロライン! 降りて来てくれた記憶に感謝よ。 あぁ、何だろう。私の右手が暖かいのだけどーーーー。 『なんだか優しい物で、手をくるまれて要るようだわ。』柔らかくて暖かい。 私は、その暖かさで意識が戻ってきたーーーーーー。 もそっと動くと手の暖かさに隙間が出来冷たい風が流れた。 「寒いーーーーー。」思わず呟くとまたぎゅっと握られ暖かさが戻って来た。 「暖かいーーーーー」とボソッと呟くと、ーーーーー キャロライン、はっと一気に目が覚めた。 キャロラインはガバッとおきあがると、それを驚いたように、手の暖かさが瞬時に消えた。 キャロラインに寂しさが込め上げた、手の温かさの方をみると、先程お父様に紹介されらアデルがベッド横に座っていた。 「アデル?」 「うん」と弱々しく頷くアデル。 「ずっと居てくれたの?」 「うん、ーーー僕を見て倒れたから、ーーぇっとーーー心配でーーーお義父様に許しを貰ってーーー。」弱々しく答えるアデル。 『もしかしてアデルは、私が怖いの?』 ヤバイわ!いきなりアデルに嫌われるのは不味いわ! 私はキャロラインなのに、キャロラインじゃない。 前世の天野美智子としてアデルを見ている。 そう、前世で気に入って読んていた乙女小説『ブルームーンで抱きしめて』の悪役令嬢キャロラインじゃなく、優しい兄弟としてキャラをジョブチェンジして話している。 『だって、天使なアデルに嫌われたくないし、十六歳になってアデルに断罪されたくないだもん!』そんなの嫌よ!虐めあかん!虐めなんて絶対回避よ! 「ありがとう、アデル。貴方は優しいのね。」とにっこりと微笑んだ。 アデルは、キャルのその言葉に頬を紅くして首をふるふると降る。 「そんなこと無い。」 『そう言いながら、紅くなってアデルったら可愛いわ!』 「ねぇ、アデルは何歳なの? 私と同じぐらいに見えるけどーーーーー。」 「十歳です。」 「そうなの、私と同じね、」キャルは嬉しそうに笑った。 「誕生日月は何時かしら?」 「十月ーーーーーですーー。」 「まぁ、そうなの。私は四月なの同じ年ね。それじゃ、先に生まれた私がお義姉さんね。私弟が欲しかったの、キャル義姉さんって呼んで良いのよ。」ふふっ、と微笑んだ。 「ーーーーー。」アデルはポカンとして、「キャルがいい。」 「駄目よ、アデルの方が後に生まれたのよ、「姉さん」って呼んで。」キャロラインはニコニコして呼んでくれるのを待った。 アデルは観念したように「キャル義姉さん」と呼んでくれた。 「なぁに、アデル。」と私は嬉しさでアデルに抱きついていた。 アデルは、抱きつかれた事に驚きアワアワしていたが、嬉しそうに笑っていた。
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