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 赤い糸の伝説──。  それは、いつか結ばれるとされる未来の恋人同士が手の小指と小指でつながっているという言い伝えであり、一般的に『運命の赤い糸』と呼ばれている。  元々は足首の赤い縄がつながっていたとも言われ、それを司っていたのは『月下(げっか)(ろう)』──あるいは『月下(げっか)氷人(ひょうじん)』という、結婚・縁結びの神であった。 『太平広記(たいへいこうき)』という中国の古い書物に記載された奇談『定婚店(じょうこんてん)』にて、この神の逸話が記されている。
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