プロローグ

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「あ、おい。また人類滅亡についてやってんぞ! しかもニュースで!」 片付けも終わり、先生たちの会議が終わるまで暇を持て余しだらけていると、龍が嬉しそうにまたスマホを見せてきた。 「まじで?」 「あんなん信じる方がバカだろ」 興味を示す健人と、呆れ気味のはすみ。 『人類が滅亡するのは2018年だろうと言われています』 画面の向こうの女性は色々な資料を出しながら楽しそうに語る。 その雰囲気に煽られるように、にやにやしながら龍が立ち上がる。 「いやー、やっぱ、宇宙人襲来!?」 「はー? ウイルスだろー?」 「いや、ウイルスなら2018年なんて特定できねーべ」 突然口を挟むはすみに、龍がたじろぐ。 「お、おぉ、そうだな……」 何だかんだ言って、はすみも興味があるらしい。 俺はどこか微笑ましい気持ちで3人を見ながら、ニュースに耳を傾けた。 『2018年の可能性が高い根拠は何ですか?』 『ある小惑星が、このままだと地球に衝突する可能性があるんです。その可能性が一番高いのが、2018年なんです』 『それは防げないんでしょうかね?』 『そうですね。小惑星とは言え、大きさはありますし、恐らく無理でしょうね。ただ、可能性の話ですので、軌道が少しズレていたり、別の隕石や宇宙ゴミなんかの衝突が原因で途中で消えたり、それによって大きく軌道が逸れるかもしれませんし、一概には言えませんが――――』 『なるほど』 「っ!?」 突然、3人が不思議そうな顔をしたので、気になってスマホ画面を覗くと、そこにはスタジオはそのままで、白いワンピースを着た少女が強調されるような光の加減で写っていた。 『西暦2018年、地球は眠る』 それだけ言うと少女は消え、テレビの向こうの人たちは何事も無かったかのように話し続けた。 それからすぐに先生たちの会議は終わり、担任の先生に看板を見せると、お褒めの言葉と共に帰りの許可が降りたので、俺らはさっさと帰ることにした。
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