0人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
「あ、おい。また人類滅亡についてやってんぞ! しかもニュースで!」
片付けも終わり、先生たちの会議が終わるまで暇を持て余しだらけていると、龍が嬉しそうにまたスマホを見せてきた。
「まじで?」
「あんなん信じる方がバカだろ」
興味を示す健人と、呆れ気味のはすみ。
『人類が滅亡するのは2018年だろうと言われています』
画面の向こうの女性は色々な資料を出しながら楽しそうに語る。
その雰囲気に煽られるように、にやにやしながら龍が立ち上がる。
「いやー、やっぱ、宇宙人襲来!?」
「はー? ウイルスだろー?」
「いや、ウイルスなら2018年なんて特定できねーべ」
突然口を挟むはすみに、龍がたじろぐ。
「お、おぉ、そうだな……」
何だかんだ言って、はすみも興味があるらしい。
俺はどこか微笑ましい気持ちで3人を見ながら、ニュースに耳を傾けた。
『2018年の可能性が高い根拠は何ですか?』
『ある小惑星が、このままだと地球に衝突する可能性があるんです。その可能性が一番高いのが、2018年なんです』
『それは防げないんでしょうかね?』
『そうですね。小惑星とは言え、大きさはありますし、恐らく無理でしょうね。ただ、可能性の話ですので、軌道が少しズレていたり、別の隕石や宇宙ゴミなんかの衝突が原因で途中で消えたり、それによって大きく軌道が逸れるかもしれませんし、一概には言えませんが――――』
『なるほど』
「っ!?」
突然、3人が不思議そうな顔をしたので、気になってスマホ画面を覗くと、そこにはスタジオはそのままで、白いワンピースを着た少女が強調されるような光の加減で写っていた。
『西暦2018年、地球は眠る』
それだけ言うと少女は消え、テレビの向こうの人たちは何事も無かったかのように話し続けた。
それからすぐに先生たちの会議は終わり、担任の先生に看板を見せると、お褒めの言葉と共に帰りの許可が降りたので、俺らはさっさと帰ることにした。
最初のコメントを投稿しよう!