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「三年生になっちまうなー。やだなー」
陸は、子供のように体を揺らして嫌だ嫌だと連呼した。
そんな陸を見て、はすみはキョトンと首をかしげる。
「何で? 良くね? 最高学年じゃん。下級生に頭下げてもらえんじゃん」
「いや、誰だよお前」
素っ頓狂なことを言うはすみとすかさず突っ込む龍に、暫し、場に笑いが起こった。
陸はその二人を見て、相変わらず良いコンビだなーと、微笑ましくなった。
そんな中、なにやら賑やかな気配に気づいた健人が石段の下を見ると、家族らしき人たちや、カップルらしき二人組がこちらに向かっていた。
「なあ、ここ人通るかもだし、どっか店行こーぜ」
「空いてるかな?」
「駅と逆行きゃ空いてるべ」
「そだな、行こ。お腹減ったし」
満場一致で、彼らは場所を動くことにした。
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