月一族の親子

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 さて、シュバだけでなく、同じようにバスタードブラックに大敗したヒダカダーロが、宝島記念に参加したがる理由ははっきりしているが、どうしてチャチャカグヤが出場しようとしているのだろう。  シュバも疑問に思ったらしく、姉に尋ねた。 『姉さんの目当ても、やっぱりバスタードブラックさんなの?』  そう尋ねられると、チャチャカグヤは少し視線を上げてから答えた。 『彼とも戦ってみたいですが、それ以上に、あのラ・コンテス・ド・ペルルという牝馬に興味があります』  シュバとウマナミジミーは納得した様子で頷き、ヒダカダーロはすぐに反論した。 『チャチャ姐さん。バスタードブラックはともかくとして、ドペルルなんて姐さんの目じゃないっしょ。いいところ、シュバか俺たちのライバルってところですよ』 『果たしてそうでしょうか? あの調和のとれた馬体、しなやかな筋肉、そして、貴方たちに負けたくないという思い…彼女こそ私にとって、最も危険なライバルになる。そんな気がします』
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