2.猫妖精の国

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「食への執着が半端なくて、僕は少々恐ろしいよ」    シシィは首を傾げる。 (執着? 普通だと思うけど……そんなことを言うなんて、キンってば、きっとろくなもの食べてないんだわ! 可哀想な子……!)    今度はシシィが哀れみの目をキンに向ける。 「ねぇ、キンも一緒に限定スイーツ食べに行く? どうせ暇なんでしょ?」 「むっ、どうせって何さ? しかも何だかすごく失礼なことを考えていないかい?」 「え? 何のこと?」    キンはしらばっくれるシシィに湿度の高い瞳を向けると、不機嫌そうに耳を反らした。 「悪いけど、遠慮しとくよ。僕にもこれから行くべき所があるからね」 「え、そうなの? それは残念」    意外な返答にシシィは目を見開く。    キンはぴょんと木から飛び降りると、樹上のシシィを仰ぎ見た。 「食べ過ぎないようにしなよね」    そう釘を刺し、口の中で呪文を唱えると、木の根元にあるウロの中へと入って行ってしまった。目的の場所へ向かったらしい。
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