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森に響き渡る一発の銃声。
手にしたピストルを下ろしながら、詰めていた息を吐き、ようやく口を開く。
「……不用心だな」
床へ仰向けに倒れた体に近付き、屈み込んで、その首に指を当てる。肌理の粗い肌の下、脂肪に飲み込まれそうになる。数年前の話とは言え警察官にしてはかなり頼りなく、だらしのない体だ。顎は脂肪に埋もれ、首が短かった。たくましさとは程遠い。
脈が止まっているのを確認した後、重いブーツで死体をまたぎ、照明も点けられていないログキャビンの中に立ち入った。
ターゲットの他に人は、すなわち目撃者は居ないか。はたまたペットは飼われていないのか。一人住まいの間取り図は頭に入っているが、念の為だ。
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