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可愛い寝顔[現在編]
「やばい、風邪ひいたかも。」
『寝てる時、布団はいじゃったんだろうね。』
夫が寒気で震えていた。
布団がベッドの下に落ちていたようで寒さで目が覚めてしまったようだ。
くしゃみをしたり上着を羽織って寒気と戦っているのを見ていて罪悪感が湧いてきた。
そう、彼の布団をはいだのは私である。
4時間前ー
「フフッ」
寝ていると、笑い声が聞こえてきたので隣を見てみると夫が眠りながら微笑んでいた。
『わぁ………。』
あまりにも幸せそうな顔をしていたので、まじまじと見てしまった。
寝顔が可愛かったので、バレないようにベッド脇のランプをつけてると携帯で写真を撮ってしまった。無事撮れたので彼が起きない内にランプを消した。
「フフフッ」
今度は笑いを堪え始めたので起こしたかと焦ったが、彼は眠っていた。
眠りながら笑いを堪えているなんて器用だな。
どんな夢を見ているのだろうと気になってしまい、思わず彼の頬を指で突きながら聞いてしまった。
『えっ?なに?なんの夢見てるの?』
本人は眠っているので答えないと思う。
しかし、興味が湧いてしまったので可愛い寝顔の夫の答えを待ってみた。
『なんの夢?』
「フッあの…。」
『ん?』
「四海さんがね…。」
私の夢を見て微笑んでいるようだ。
尚更、夢の内容が気になって仕方がない。
『えっなに?』
「熊に頭から食われているの。」
一瞬、思考が停止した。
夫が幸せそうに微笑みながら確実に言ったので、二度見してしまった。
何故そんな状況になっているのか、何故笑っているのか謎だった。
それより、私を助けないのか?
なんとなく夫の寝顔が気に障ったので、蹴り落とすのは可哀想なので布団を静かにベッド下へ落とした。
現在ー
『夢に熊が出てきた?』
「いや、出てないよ。なんで?」
『寝言で熊って言ってたから。』
「…なんでだろう?寒かったからかな。」
彼は夢の内容が覚えていないのと布団を落としたのが私だと気づいていないようだ。
少々罪悪感は湧いたが黙っておくつもりだ。
次、同じような事があったら動画を撮っておこうと思いながら彼の寝顔写真をお気に入りに入れた。
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