馬が合う奴と反りが合わない奴

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馬が合う奴と反りが合わない奴

異世界転移、所謂ラノベで一時期流行ったジャンルでテンプレ展開も確立されてきてると思う。 でもね?ゲームだから呑気に出来るんだよ? 「アイツ等と組むとか地獄だよ~。俺がゲームしてたら、オタだの陰キャだのってすぐに言ってバカにするんだぜ?」 隣でぼやいてるのは私の愚兄である〈大江仁〉だった。 私はその妹〈大江泉〉来年から高校一年生で、今日はお兄ちゃ……愚兄にはオープンスクールに付き合ってもらってる。 バリバリの進学校なのに、そんな幼稚な嫌がらせする人いるのかな? 我が兄に構うなんて、よほど暇なの? 同じ高校になる予定なので、二つ上の兄に着いてきてもらったが、レクリエーションで班分けされたメンバーがよりによって苦手な陽キャグループだったらしい。 一昔前のパリピっていう言葉がぴったりな男女が、私達の前でかったるそうにしている。 私の班には、幼馴染みの〈中村璃子〉、部活で相棒の〈小野苺花〉と別の学校から来た初対面の人がいる。 男子二人なんだが真面目そうで大人しい人だったし、正直戸惑っているのが端から見ても明らかだった。 「えー、いちおー自己紹介して~、説明はプリント見て。」 「つーか、大江が居るじゃん(笑)知り合いっぽいから説明よろしく~♪」 何でこの人たち選んだのよ!?めちゃくちゃ感じ悪!! 「…………はぁ、アイツ等噂じゃ、補習代わりと内申が足りないらしい。」ボソッ 溜め息を着いて兄が説明しながら学校の施設の案内をしていた時、ふと違和感を感じて立ち止まった。 ……………周りの景色が妙に明るいわね? しかも、足元から不自然にライトアップされたかのように。 気付くと私達は空中に浮いていて、あっという間に落下した。 引率係だった陽キャ四人グループと見学者五人、そしてお兄ちゃんは、広場に有る大きな噴水のような所に次々に落っこちた。 「俺のスマホー!!!防水加工よ、耐えてくれ~!!!」 「お兄ちゃん!!開口一番に言うことそれ!?」 ゴボボッと深く沈んだ筈が、起き上がってみると精々足首程度の深さだった。 血相変えてスマホを確認する兄に思わず大声で突っ込んじゃったよ。 私の大声に、状況が呑み込めずに呆けていた他の人もハッとして周りを見回した。 「何これ………建物がヨーロッパみたい。」 「それよりも人が、服装おかしいよ!!何であの人、耳がウサギなの!?」 「さっきまで学校見学してたのに、何でだよ!?」 「ゆ、夢なのか!?あああ、スマホが圏外!?」 同じ班のメンバーはすぐ近くに落ちたようで、各々持ち物や周りを見て、プチパニックだった。 と、そこにザバザバと水を蹴り立てる音が近づいてきて、私の横で座っていた兄の姿が宙に浮き上がった。
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