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『アリサらしい』。
彼が自分に対して
どういうイメージを持っているのか
どう見てくれているのか……
精密なカットを施されたダイヤモンドは
店内の照明を反射して
夜空の星の瞬きのように輝いている。
清廉なプラチナに守られた宝石の存在感が
『結婚』の実感を引き寄せる。
恋をした彼が私に振り向いて、
私を愛して、人生を共に歩むという。
その約束として贈られる美しい指輪が
自分の指にこんなにしっくりと来るなんて
想像もしていなかった。
……そう思うと
口数が減る代わりに
彼を見つめる瞳が語りはじめる。
そんな彼女の綺羅星のような想いを
いとおしく思ったと、ウッチーは言う。
高価な婚約指輪なんて、と
はじめは戸惑っていたアリサちゃんに
ウッチーは
『俺の気持ちを見える形にしたい。大切とか、愛してるとか……これからもずっと言葉で伝えていくけど、語らないものがあってもいいと思わないか?もしも喧嘩して嫌になって、お互いの言葉が届かない時が来ても、指輪を見て思い出して欲しいんだ。今日の気持ちを思い出せるものを、アリサに持っていてほしい』
と、正直な自分の気持ちで
アリサちゃんの戸惑いを取り除いた。
自分の片想いだった恋を
愛に育ててくれた彼が、未来を誓って
こんな言葉をくれるなんて。
音もなく……浸透するような
静かな感動に包まれたアリサちゃんは
結婚するんだ、という実感を
指輪越しにひしひしと感じたようだった。
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