#3 オンナトモダチ

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#3 オンナトモダチ

お祝いの席の日が近付く一方で アリサの友人、アユミとトモカは 駅ビルで悩んでいた。 『何を着ていけば良いのか』問題である。 カジュアルな食事の会だから、と 平服で来てね、アリサは言う。 しかしよく聞けば、 アリサは当日、ウェディングドレスを意識した ミニドレスを着ると言うではないか。 それを見立てるのが 私たちの『伝説の女』本城エリコというではないか。 ※アユミさん、トモカさんは エリコさんのことを『伝説の女』といい 慕い憧れています。※ 絶対に綺麗なアリサが出てくる。 内野さんが惚れ直すようなアリサに仕上げてくるはず。 ならば友人である私たちも それなりに身支度せねばならない。 「アリサに恥をかかせたくない、ちゃんとお祝いしてあげたい」 という、トモカの一言で 今日、こうして買い物に来ている。 「……気合い入れすぎも恥ずかしいんだよね」 「そうそう、『オトコ探しにきました』って感じじゃ駄目だよ。ウチラもうアラサーだし、若くないんだから……」 実はこの二人、現在フリーである。 特に3人娘の中で 永年モテ期が続いているトモカが フリーでいることは非常に珍しいことだ。 「イイヒト、いないかなぁ……」 やはりそう思う気持ちは隠せない。 二人にとって祝いの席は そういう意味でも 失敗は許されない戦いである。
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