エピソード1

8/23
前へ
/70ページ
次へ
ひとしきり盛り上がった後は具体的な対策について話した。 つっても明後日が入学式だから明日まで頑張って隠れてればいいだけだけど。 それにここは1年のフロアだからこの階にいれば大丈夫だろう。 問題は飯のときだよな。 まぁでも春兄きたら目立つしなるべく髪で顔を隠してあいつらの影に隠れてればいけるっしょ。 念のため伊達眼鏡してこ。 4人でわいわいしてたら食堂に行く時間になった。 食堂に行ってみると寮長と副寮長らしき人がいた。 「よーしじゃあ全員集まったなー。」 俺たちが最後だったみたい。 「俺はこの3棟の寮長の琴平大我(ことひらたいが)だ。よろしく。んでこっちが。」 「あ、あの副寮長の稲葉夏希(いなばなつき)です。よ、よろしくお願いします。」 寮長はまぁまぁなイケメンで人懐っこそうなコミュ力おばけって感じだし副寮長はおめめくりかりでかわいいドジっ子属性とみた。 「一応寮でなんやかんやは事前に説明書が配られてるからわかってると思うが、とりあえず絶対厳守なやつだけは説明しとく。」 そういって門限と食事の時間やら大浴場の使用可能時間とか説明してくれた。 「後は1年からもまとめ役として1人副寮長をやってもらうわけだがとりあえずは…えーっと、千手ー千手隆ー。」 「は、はい。」 「よし、お前に頼んだ。」 「は?え?まっ!」 「たのんだぞ!まぁ難しいことはないし、わからんことは稲葉にきけば大丈夫だから。」 「ま、まじか~…。」 お~隆かぁ、お兄ちゃん的な感じだしまとめるのうまそうだしいいんじゃね。 まぁ本人は頭抱えてるけど。 「なんかあれば俺らも手伝うから頑張ろう。」 「秋生~…おまえいいやつだな…。ありがとう!」 そう言いながら俺の手を握りキラキラした目(半泣き)で見つめられた。 「じゃあ最後に1番重要なことを言っておく…。」 と寮長がたっぷり間をためた後、 「恋愛は自由だ。オレに惚れてもいいんだぞ。フッ…。」 とか言いながら髪をかきあげている。 みんな一瞬ぽかんとしたあと爆笑。 あの副寮長のくりくりのおめめがチベスナになっている。 面白い人たちだわ。
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加