エピソード1

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体育館から司会の新入生入場という声が聞こえた。 俺と瑞樹はAクラスだから1番最初で担任に続いて入場していく。 あんまりキョロキョロするのも怪しいからさりげなく目だけ動かして春兄を探す。 あ、見つけた! 春兄を見つけた瞬間嬉しくなって顔が緩んだからめっちゃ笑顔だったと思う。 俺が春兄を見つけるのとほぼ同時に春兄もこっちを見た。 めちゃくちゃ目をおっきくしてびっくりしてるなぁ。 可愛い~。 そしてなんか周りがざわざわしてる? とりあえず式の間は大人しく座ってた。 新入生代表の挨拶が総一だったのは納得。 無事に入学式も終わり教室に戻ると先生からの一言があり席替えになった。 くじ引き方式で席は窓側の1番後ろになった。 隣のやつに挨拶しなきゃ。 「俺、黒川秋生。よろしく~。」 「あ、え…僕?あ、あの僕は川崎翼(かわさきつばさ)ですっ!」 「なんで敬語w隣の席だし仲良くしよー。」 「オレは新町瑞樹だよ~。よろしくね。」 川崎くんの背後からぬっと顔を出して挨拶してくる瑞樹。 川崎くんがびっくりしてて可哀想だからやめてあげて。 「川崎くんはどこの寮なの?」 「僕は1寮だよ。新町くんと黒川くんは?」 「俺らは3寮で、瑞樹と俺は同室だよ。」 「てか君づけってなれないから呼び捨てにして~。」 「たしかにw」 「じゃ、じゃあ僕も呼び捨てにしてくれていいから!」 席替え終ったやつから解散てことでしばらく雑談した後、川崎は寮に帰っていった。 「この後どうする?」 「俺は春兄に会いに行ってくるよ~♪まだ体育館で片付けしてると思うから。」 「じゃあオレも付いてって感動の対面をこっそり見てるね♪面白そうだからw」
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