エピソード1

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「あ“ーーーきもちー。」 「秋生おっさんみたい。」 「その顔でその声はやめろ。残念すぎる。」 「足が伸ばせる広い風呂ってさいこー。ほら総一ですら顔が和んでる。」 しっかり肩まで浸かってたらあっつくなってきた。 よし、ちょっと涼もう。 浴槽の縁に腰かけて足だけ浴槽に入れる形にした。 ちゃんと股間にはタオルかけて隠してます。 「総一って身長何センチ?」 「突然なんだよ。たぶん182くらいだと思う。」 「いいなー。俺もせめて170は欲しい。隆もバスケしてただけあってけっこう高いよね?」 「俺は178かなー。秋生と瑞樹はちっさいよな。」 「ちっさいゆーな。瑞樹よりは高い…はず…。」 「えーそんな変わんないでしょー。オレは161だけど。」 「やっぱ俺の方が高いじゃん。163だもん。」 「2センチなんてほぼ変わんないじゃん!そういえばカップルの理想の身長差って15センチってゆーよね。」 「15センチ…あ、隆と丁度15センチ違いだ。俺たちお似合いかもねw」 両手をグーにしてアゴにつけてぶりっこポーズしながら隆に向かってウィンクしてみた。 そんなチベスナみたいにスンってならなくても。 「たかしwww」 「なんかもう俺無にならないと目覚めそうで怖い。」 こんなアホなことやってる横でホワホワお花飛ばしながら湯に浸かってる総一。 どんだけ風呂好きなんだよ! そろそろ涼めたから入ろうかな。 もう一度湯に浸かって背中を壁に預けて上を向くと空が見える。 こっちの壁は外に繋がってて上の方が窓になっている。 俺は向きを変えて窓を見上げる。 「なんか露天風呂みてー。」 「あ、ほんとだー。今日は晴れてるから星がよく見えるねー。」 「眼鏡がないから俺は見えん。」 「総一残念だなぁ。綺麗なのに。」 露天風呂気分を味わってるとせっかく静かだったのにうるさくなってきた。 なんだよと思って顔だけ振り向いたら春兄だ! 思わず顔が緩んだわ。 「わぁ秋生いい顔だね~。みんな出てっちゃったよ~」 「本人は白藤先輩に気を取られて気付いてないがな。」 「隆もまたスンってしちゃったww」 目があったので手を振ってみたら、一瞬固まって赤くなってなんか慌ててるなぁ。 春兄よ、こっちに向かってきてるけどそんな急いで来たらコントみたいに転ぶよ? 「アキ!!」 転ばなかったか。 そんなことより春兄いい体ですね!! 「春兄いいか・・・お風呂きたんだね!」 あっぶね!! 思ったことが口から出ることだったわ。 「アキなんでここにいるの?」 「え?だって大きいお風呂入りたいし。」 「アキがこんなとこいたら危ないよ!襲われちゃう!」 「大丈夫だよ、俺こう見えてけっこう鍛えてるんだから。それに3人もボディーガードがいるから!」 「俺らいつからお前のボディーガードになったの?」 「あ、回復した。」 「でも…そっか…じゃあ大丈夫そうだね。」 ちょっと悲しそうな顔して体を洗いに行ってしまった。 なんか変なこと言ったかな? 春兄がいなくなったらさっきまで騒がしかったのに静かになってて、人がほとんど居なくなってた。
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