エピソード0

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でもそんな気持ちはすぐに俺を苦しめた。 普通は男の子は女の子を好きなるものだと思ってたから。 自分がおかしいのかとか、俺が春兄を好きなんて迷惑なんじゃないかとか、俺がこんなこと言ったら母さんも父さんも悲しむかもとか。 だから諦めようとした。 春兄に会うと嬉しくてどんどん好きの気持ちが大きくなってでも苦しくてなるべく会わないようにした。 だけどそんなことしてたら会いたい気持ちと会いたくない気持ちがごちゃごちゃになってどんどん情緒不安定になっていった。 見かねた親が何があったのか言ってほしいと。 俺は言ったら悲しむかもしれないし嫌いになるかもしれないから言いたくないと言ったら、お前がそんな追い詰められた顔をしている方が悲しいしどんなことがあっても嫌いになることはないよと言ってくれた。 だから俺は泣きながら春兄が好きなこと、諦められないことを言った。 俺がおかしいのかと。
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