鈍感な従兄弟の攻略法

エピソード2

「…2人のやつも美味しそうだね…？」
そんな上目遣いで可愛く言われたら食べさせるしかないよね。
「食べます？」
「いいの？」
「はい、どーぞ。あーん。」
「あーん。んー美味しい。」
「先輩こっちもどーぞ。あーん。」
「あーん。こっちも美味しい。」
「先輩可愛いー。もっと食べますか？」
「…食べたいけど黒川くんのだから…。」
「はい、あーん。」
「…あーん。ありがと。」
何この可愛い生き物。
「先輩、あーん。」
「えっ！せ、千手くん！？」
「俺のは食べてくれないんですかー？」
「……あ…ん…。もーなんなの！！」
「いやー、先輩が小動物みたいで可愛くてついw」
ですよねー。
それにしても隆のチーズケーキもうまそうだな。
もらお。
「えいっ。」
「あ、お前勝手に。じゃあ俺もくれ。」
あ、勝手に食われた。
そーだ、先輩のももらおう。
「先輩、俺にも先輩のパンケーキください！」
「あ、いいよ。好きなだけ食べて！」
「あーん。」
「え？俺が食べさせるの？」
「さっき食べさせてあげたんだからいいじゃないですかー。ほらはやくください。」
「えー…なんか恥ずかしいんだけど…。はい、どーぞ。」
「あーん。これも美味しいですねー。」
「じゃあ先輩、次は俺にもください。」
「え！？千手くんにもするのー…？」
「あーん。」
「もう…はい、あーん。」
「あ、意外とフルーツがあるからかそんなに甘くなくてうまい。」
「もー2人して僕で遊んでるでしょー。」
「先輩に甘えてるだけですよー。」
「あ、先輩口元にクリーム付いてますよ。」
おや、隆くんやそんなことやっちゃうのかい。
先輩の口元のクリームを指でぬぐって食べたよこの人。
「隆くんや、さすがにそれはあかん。」
先輩真っ赤やん。
「あ、やべ。つい弟とか妹みたいな感覚になってた。すんません！！」
「…。」
恥ずかしすぎて顔隠しちゃった。
それにしても隆ちょっとは元気になったようだね。
楽しそうで何より。
やっぱり先輩連れてきて正解だったね。
それにしても傍から見るとイチャイチャしてるカップルにしか見えんな。