夏と冬の選択

1/1
22人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「今年も最高気温を更新するでしょうってな、あの天気予報士、よくそんな無責任なこと簡単に言うよなぁ」  人類は、人類の行いによる人類の試練の道を歩かされいた。新年が明けて数ヶ月。早くも太陽はサングラスを外し、食い入るように地球を見ていた。 ーー今年はどこを焼いてしまおうか。  地球人は長い年月を経て自らの生活をあみ出し、生きるためにと知恵をつけてきた。後世に繋がる(すべ)も習得し、生きるもの全ての命を大事に守ってきた。自然を敬い、動植物と共存し、生物を捕らえて食すことに感謝する。そして自らが生かされていることを知った。  ひとつ何か出来るとまた新しいことを見つける。日々生活の向上をはかり、そして進化を続ける人類は、更地だった地球に光を与えた。  しかし進化とともに失うものもまた多く、人類は人間としての役割にとどまらず、常に現状に満足しない欲望のかたまり同士がぶつかり合うようになる。それが30XX年の6月のこと。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!