親愛なる君へ

無限ループ

　それから私は常にひとりで行動をするようになった。そもそも誰からも声をかけられない（かけられるとしたら有料セミナーの勧誘や選挙のお願い等）ので、こちらから声をかけなければ、誰も何も誘ってこない。そうすれば余計な人間関係に悩む必要も無くなる、楽だ。
　しかし職場と家の往復だけでも、小さな職場の人間関係だけでも、時折連絡を取る両親との関係性だけでも、稀に関わりのある親戚関係を加えても、それなりに悩みは発生する。
　だけど別に人に相談しなくても生きていける、そう思っていたが……

　ぷつん。
　自分の中の、何かが弾けた。

　思うように呼吸ができなくなった私は、心療内科にかかり、頓服の安定剤と眠剤を処方してもらった。

　しかし心療内科の先生は、所詮「薬を処方しておけばよい」という考えであり、悩みを相談しようものなら
「私はカウンセラーではありませんので」
　ときたもんだ。
　それならカウンセラーに相談してみても、その時は良くとも少しすればまた同じことで悩み始めてしまう。堂々巡りだ。