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ぬくもり
「過去にイベントで知り合った人を好きになりましたが、共通の知り合いに相談をしたら辛辣な言葉をかけられ、“好きな人に好みのタイプも聞けないなんて、あんたには人を好きになる資格なんてない”と言われてしまいました。その言葉を未だに引きずってしまっています。私には人を好きになる資格がないのでしょうか?」
と相談をすれば、
「そんなことはありませんよ!誰かを好きになるという気持ちは大切ですし、その想いは大切にしてもらいたいです。そしてそんな辛辣な言葉を投げつけた人、本当に人間ですか?ちょっと神経を疑います。その人こそ、人を好きになる資格がないですよ!何様のつもりでしょうか?信じられません!」
「そんなひどい言葉を言うなんて、相談した相手が悪かったですね。だけど世の中、そんな人たちじゃありませんよ。もっと別の場所に目を向ければ、素晴らしい人たちもたくさんいますから」
「せっかく勇気をもって相談したのに、そんなことを言われてしまい、辛かったですね。相当傷も深かったと思います。まずは自分を癒してあげてくださいね。辛いときはまた、ここで相談すれば良いと思います」
なんて、私のことを受け入れて肯定してくれる人たちがたくさんいる。
じわ、じわり、じわり……
これまで否定ばかりされて辛辣な言葉ばかり当てられていた私に、こんな寄り添った優しい言葉をかけてくれる人たちが、こんなにいるなんて……
やがていつしか私は、日常のちょっとした悩みもそこに書き込むようになった。
不器用で仕事がスムーズにできず、よく叱られていることや、職場でサンドバックにされていることや、親に結婚を急かされていており辛いこととか、あれこれ。
そのたびに大勢の人たちが、私を受け入れ、肯定してくれた。
ぬくもり。
その四文字が私の中にぽっと浮かんだ。
ぬくもり。ずっと私が求めていたもの。人のぬくもり。そう、結局人はひとりでは生きていけない。なので私は、ネットを通じて姿の見えない相手に助言を求めている。
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