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神様と私
さて。何度も何度も相談をしているうちに、私は面白いことに気が付いた。
「あれ…?この人、まただ」
私が相談するたびに、ほぼ毎回といって良いほど、助言をしてくれる人がいた。ここは匿名性であり、ハンドルネームかIDが名前として表示される仕組みだ。因みに性別は、本人が自己申請をしない限りは分からない。
神様。
ほぼ毎回助言をしてくれる人は、ハンドルネームを「神様」と名乗り、私に助言をしてくれた。恐らく「神様」という名前にさほどこだわりはないのだろう。ネットで名乗る名前なんて、割と適当に付ける人も多いだろうから。
神様という人は、いつも私がかけてもらいたい言葉をかけてくれた。
「あなたには素敵な男性が現れますよ」
「あなたは素晴らしい人ですよ」
「あなたは魅力的な女性ですよ」
いつも私を肯定してくれる言葉をくれて、女性が喜ぶような言葉をくれた。この神様という人が、男か女かも分からなければ、世代も分からない。もしかしたら私より年下かもしれないし、同年代かもしれない。
私は何かあると、よく悩み相談をしていた。そのたびに心の中で
「神様、お願い!」
と唱えながら投稿する。すると神様が私に助言をくれるのだ。私のかけてもらいたい、心地良い言葉をたくさんかけてくれる。それに私は背中を押してもらえる。希望をもらえる。
ふと思い立って、神様の回答履歴を見てみた。すると、他の投稿者にも助言をしていたものの、その大半以上が私に対する助言だった。神様はまさに私のために存在し、助言をしてくれている存在だと分かった私は、とても嬉しかった。
人間なんて屑だと思っていた。だけど私のことを受け入れて肯定してくれる人が、こんなにもいる。神様をはじめとして、たくさんの素敵な人たちが私を受け入れてくれる。嬉しい。
もしかしたらネット特有の「顔が見えない世界」だからこそ、うまく行くのかもしれない。私のおどおどした表情や小さな声、スムーズに話せない性格やどもりのある話し方、気の弱そうな顔立ちやお世辞にも美しいとは言えない容姿がそこに投影されないので、優しく声をかけてくれるのかもしれない。
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