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「来られたのですか? あまり無理をなさらないよう............それはもしや......」
追い付き、横に並ぶと彼女はBLITZバトンに視線を集める。
その意味ありげな視線に疑問を抱き、問いかけた。
「これを知っているんですか?」
「ええ、貴女よりかは余程。 ですが話は後です。 先を急ぎましょう」
何故知っているのか、どこで知ったのか、聞きたい事があるものの、一旦胸の内にしまい先へ急ぐ。
「なんで動かねえんだ?」
「早くしてくれよ......」
渋滞に巻き込まれた人達が車内から愚痴を溢し、状況を知ろうと外に出る人達の合間を縫って前へ前へと進んでいく。
ようやく最前列に差し掛かった頃。
雰囲気がカラリと変わり、集まっている野次馬が携帯のカメラで何かを撮っている様が見受けられた。
「一体何を撮って......すいません警察です。 通してください。 退かないならしょっぴきますよ!」
胸元の警察バッジを見せながら告げると、人々は渋々道を空け、視界が開けていく。
そしてようやく渋滞の原因となった何かしらを発見したのだが、私は自分の眼を疑わずにはいられなかった。
まさか道路の真ん中でほぼ全裸の女性が立ち往生しているとは思わなかったから。
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