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悔しいがこのままだと確かにアルラウネの言う通り殺される未来しかない。
「くっ! なんとか凌いではいるけど、これ以上は......!」
「再生型のデモンエクス程、面倒な相手は居ませんね。 ......仕方ありません。 あれを使いましょう」
「あれ? ......きゃっ!? なにこの風......!」
突然ルーシェさんから途轍もない突風が吹き荒ぶ。
彼女のシックで伝統を感じさせるメイド服ははためき、スカートは翻る。
「はぁぁっ! 海藤様、『スラストレイブン』が完成するまで守って頂けませんか!」
ルーシェさんが右手を空に高く掲げ周囲から風を集め始めると、緑色の螺旋が形成されていった。
どうやら彼女は人間ではなく、恐らくは......
「スラストレイブン? よく分からないけどそれが完成したら何とかなるのね!? なら!」
正直な話、カッコつけた所で勝てないのは目に見えていた。
しかし彼女があやかしなら話は別。
超常なる者は超常なる力で叩けば良い。
「私が貴女を守る! だから必ず倒して!」
「お任せを!」
戦いのなかで確かな友情を感じ、お互いに大胆不敵に微笑みながら頷く。
そんな私達が恐ろしく見えたのか、アルラウネが。
「させると思うのかしら!」
先端を螺旋状にした無数の蔓を道路に蔓延る根から伸ばすと、それで波状攻撃を仕掛けてきた。
「でしょうね! でも私が守る以上そうなると思いなさい! BLITZシステムオールドライブ! ラストサバイバーモード!」
だがBLITZシステムの最終形態であるソードモードに変更し、先割れした先端から飛び出したブレードで次々と蔓を切り裂く。
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