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「つあっ!?」
身体をひねり直撃は免れたものの右足を掠められた。
深手では無いにしろ、これ以上戦闘が長引けば離脱しなければいけないだろう。
だがその前にやることがある。
「は......あああっ! 剣技・円月輪!」
回転斬りで蔓を真っ二つに切り裂き、突きの構えでアルラウネに突撃する。
「せやあああっ!」
「だから甘いと言っているのよ!」
今度こそ仕留めようと三本の螺旋蔓が襲い掛かる。
だが次に起こした行動にアルラウネは驚きを隠せなくなっていた。
「どっちが!」
「この女、私の股下を!」
スライディングで螺旋蔓を回避しつつ、ジャンプしたアルラウネの股下を通り背後を取る。
「これで!」
チャンスと思い、突きを放つが。
当然アルラウネは直ぐ様防御体制へと移行。
「させるものですか!」
木の根が彼女を囲み、まるで繭の様になる。
直後ウニを思わせる針を無数に突出させたが、バックステップでギリギリかわす。
「うっ! 今のはヤバかったわね」
針が私の目玉と喉元スレスレで止まる。
あと少し反応が遅れていたら串刺しだっただろう。
けれど回避が間に合ったのにも理由がある。
なにせ私はただの囮なのだから、本気で倒すつもりはない。
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