464人が本棚に入れています
本棚に追加
「諦めたらぁ、ダメじゃなぁい。 人間はぁ短命なんだからぁ、もっとぉ頑張って生きないとぉ。 ふふっ、ほらアルラウネもぉボーッとしないのよぉ?」
頭蓋骨を貫かれると思ったその瞬間。
雷鳴が轟き、目の前に落雷が落ちた。
「なに!? この雷はまさか!」
「私......生きて......」
螺旋蔓を焼き、炭へと変えるその稲妻の稲光が収まると、空から人が降りてくる。
それは落ちるスピードとは思えない程緩やかで。
重力を感じさせないくらい羽の様に舞い、踊るように爪先から降り立った。
仕草は優雅そのもので、私はつい口にしてしまう。
「天使......?」
と。 だがその降り立ったゴテゴテのゴスロリ服を纏った金髪ツインテール少女は、唇を人差し指で触れながら、年不相応な妖艶な微笑を浮かべた。
「あらぁ? ロゼを天使なんて間違えるなんてぇ、とっても可愛いお嬢さんねぇ。 食べちゃいたいわぁ」
ペロリと自分の唇を舌でなぞる艶かしい仕草に、同姓ながらドキッとさせられる。
ふと彼女の少しだけ空いた唇から長く鋭利な牙が見えた気がした。
最初のコメントを投稿しよう!