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「どうして......どうしてここに貴様が!」
アルラウネのわめき声にも似た怯えた声にハッとする。
余りに神々しく、10代前半とは思えない艶かしい彼女から目を離し、アルラウネを見ると表情にも怯えが垣間見えた。
「あらぁ? 怯えているのかしらぁ、情けないことねぇ」
「な、なんですって!? この私に向かって......!」
だが次第にアルラウネの表情が怒りに、そして怪しい笑みへと変わっていく。
「ふ......ふふふ! そうよ、そうよね! 始祖吸血鬼と言えども……!」
そう言い放ちながらアルラウネは、地面を這う蔓を上方へと伸ばし、球根を作り出し。
「原初ノ血をここで殺せば……私こそが、あの方の右腕だと証明することが…………出来る!」
球根だったものを開き、茨の棘を数本スカーレットと呼ばれた少女に飛ばしたのだった。
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