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かつての闘争
「あら、なかなか悪くない気概ねぇ。 でもその程度じゃぁ、どうにもならないわねぇ」
スカーレットがヒラヒラの袖から伸びる今にも折れそうな細腕を前にバッと突き出すと、レールガンとでも呼ぶべき雷の銃弾を放つ。
その雷が飛来する棘を全て灰塵に帰させた。
「ちぃっ! 古株と言ってもデモンエクス最強と言うだけはあるようね! でもこれはかわせないでしょう!?」
次にアルラウネが両手を地面に触れると、彼女の手前からうねる大木が大波を思わせる状態でスカーレットを襲う......が。
「ふぅん、そんなものなのねぇ? つまらないわぁ、これだけなんてねぇ。 ならこれで良いかしら。 はい、終わりねぇ」
「なっ!? あれだけの攻撃を防いだですって!? いとも容易く!?」
スカーレットが指をパチンと鳴らすと、天空から剣を象った雷が彼女の前に等間隔に刺さる。
その雷の剣がそれぞれ電撃を放つと、電気柵の様にお互いを繋ぎ合わせ、通過しようとした津波大木を灰へと変える。
「なんて力なの、あの女の子。 怪那と同格かそれ以上? それにあれは一体......」
圧倒的な力で私達を弄んだ化け物を翻弄する彼女も気になるが、それよりもスカーレットが降りてきた先の上空に妙な物を見つけた。
「空間にヒビが入ってるわ......今まであやかし関係は異様な物ばかりだけど、あれは更に異常ね......」
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