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それにしてもあのヒビは何かしら......と脱出を諦めて眺めていると近くからガリッと木を抉る音がした。
「ん......?」
「動かないで下さいまし。 大木を破壊しますので」
視線を下げるとルーシェさんがナイフを大木に刺し。
「ルーシェさんご無事でしたか!」
「お静かに。 私とてデモンエクスの端くれ。 あの程度では死にませんよ」
「デモンエクス? 先程から聞こえていましたが、それは一体......」
柄を握りしめ、翡翠の色をした眼を輝かせながら答える。
「はい? ......そういえば日本ではデモンエクスとは呼ばないのでしたね。 デモンエクスとはこの国で伝わる妖怪と同義の存在です。 フランスやアメリカではデモン。 つまり悪魔と言われています」
「悪魔......デモン......」
どちらかと言えばモンスターって呼んだ方がしっくりくる気がするけど。
それか東○シリーズ。
それにしてもスカーレットとアルラウネの戦いは次元が違う。
大木がそこら中から生え、その大木から茨が飛び、蔓が鞭の様に襲いかかる。
対してスカーレットは舞い踊るかの如く足取りで華麗に躱し、ほんの周囲を雷撃で焦土にしてしまう。
「これがあやかしの......デモンエクスの戦い。 私達人間とは格が違いすぎる......」
どれだけ鍛えようと、どんな業物を手に入れようと勝てる気がしない。
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