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次の瞬間、身体に衝撃が来る。
「うおっ、なんだ!」
「う、浮いてる!?」
外を見ると車が浮き、瓦礫が車体を避ける様に落ちていっている。
あり得ない光景に呆然としていると、車体の下からスカーレットさんの高音の声が聞こえてきた。
「もう大丈夫よぉ~。 今から下ろすわねぇ~」
どうやらスカーレットさんが車を下から支えているらしい。
本当に吸血鬼なのか車の影からコウモリの様な羽根が眼に映る。
徐々に落ちていく高度。
あと100メートルと言うところで、不穏な声が聞こえ背筋が凍っていく。
「逃がさないわよ! その状態ならどうにもならないでしょう!?」
声のした方向、運転席側から向こう側に眼を向けるとアルラウネが現在進行形で落下中の瓦礫に四つん這いでへばりついていた。
四肢から触手を伸ばし、瓦礫に絡み付かせているその姿はまさに化け物と言えるだろう。
そして彼女は驚きの行動に出た。
「げっ! なんだありゃ、顔が四つに裂けやがった!」
蕾が花開くようにアルラウネの顔が開いていく。
そこから現れたのは四つの棘。
「いっ!? ポヘモンのソーラービームでも撃つつもりなの!?」
その棘が重なる部分に太陽の光が収束し。
「リリティナもろとも死ねぇぇぇ!」
「ごめんし、マイマイ~。 あーしのせいで~」
「俺にも謝れよ、クソガキ!」
「こんな時にまで何やってるんですか! って、あ......」
極太のレーザービームが私達目掛けて発射され。
「あらぁ? お痛は駄目よぉ、新参者さぁん?」
発射されたのだが、車の左側に突然現れた電磁波のシールドが全て防いだのだ。
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