464人が本棚に入れています
本棚に追加
そして次の瞬間。
「その程度の実力でぇ、私を殺すなんておかしな話よねぇ。 生まれ変わって出直してらっしゃい、おちびちゃん?」
車の下から電撃纏う矢が無数に放たれ。
「これは......参ったわね」
アルラウネを文字通り蜂の巣にした。
「やった! 凄いわね、スカーレットさん......だったかしら」
「ひゅ~! ロゼっちやっぱ、さいつよ~」
それを眺めていた私達は歓喜の声を上げるが、ルーシェさんは下に広がる川を見つめ、スカーレットさんはしかめっ面をしている。
「なかなかやるじゃないのぉ。 悪くはないわねぇ、私に傷をつけるなんてぇ」
右目の下辺りに何かがかすったのか、血が滲んでいた。
「倒しきれなかったわねぇ。 まさか自分の頭を千切って投げるなんて予想もしないわよぅ。 でも次こそは......絶対殺すわぁ」
殺す? ということは殺せた訳じゃないの?
あれをくらって? しかも自分の頭を千切るなんて常軌を逸しているわ。
「それでこれからどうするのぉ? かわいこちゃん?」
「......え? 私? かわいこちゃんなんて年齢じゃないんだけど」
皆の顔を見渡すと余すこと無く頷かれ、渋々窓から顔を出す。
「な、なんでしょうか......あ、高い......」
高所恐怖症ではないけれど、年齢不詳の美少女の片腕一本で支えられている車から顔を出すのはどんなアトラクションより恐ろしかった。
最初のコメントを投稿しよう!