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「――――で?誰が炊事洗たく掃除するって……?」
目の前の惨状にこめかみに青筋をたてる。
米を仕込めば水無しで炊くし、洗濯させれば洗剤の入れすぎで部屋中泡だらけにしちゃうし、掃除だって―――――。
どうやったらこうなるんだよ!
「すまない……。いつもメイドがやってくれていたから…。私もできると思ったんだ。本当にすまない……」
しょぼーんと項垂れるカイル。
メイドとか…。どんだけ金持ちなんだよ……。
はぁ………。
「俺が少しずつ教えるから、カイルもできるようになろうぜ?いい歳してごはんも炊けないんじゃお嫁さんも来てくれないぜ?」
「ハニー(仮)もこんな男の元へは来てくれないのか――――?」
と、恐るおそる訊ねるカイル。
菫色の瞳が不安気に揺らめいている。
「そもそも俺は男だからな?」
「わかっているが?」
何を言っている?ときょとんとした顔をするカイル。
カイルと話してると調子狂うな。
「まぁ、俺も家事はある程度できた方がいい、な」
「わかった!頑張るから教えてくれ!」
さっきまでしょんぼりしてたのに今じゃやる気に溢れて菫色の目をキラキラさせている。
ふふっ。
11も上なのに何かこういうとこ子どもみたいだ。
ちょっと可愛いかも。くすくす。
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