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第1話 空の落としもの
今から、10年前。
百年に一度のカルノーふたご座流星群が世間を賑わせた。
星の雨に人々が目を奪われている中
「〇〇くん、私ね。 来月引っ越すの
だから、〇〇くんとは今日でお別れ
・・・じゃあ、バイバイ」
目の前の少女はそう言うと人の波に消えていった。
突然のお別れに、当時の僕は何も言えなかった。
お別れさえも。
あの日、どこかへ降り注いだ星屑とともに、幼い恋慕は過ぎゆく時の落とし物になり果てた。
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