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風呂場へ案内する。
「ここがトイレ、こっちが風呂ね」
「了解」
ユウがトイレに入る。
俺はトイレの向かいにある寝室のドアを開けた。ダブルベッドと、サイドテーブル。あとはクローゼットしかないシンプルな部屋だ。
クローゼットを開け、グレーのスウェットの上下を取り出す。下着用の引き出しを開けて、新品があることにホッとし、袋に入ったままのボクサーパンツを取り出した。
ユウがトイレから出る音がした。脱衣所のドアが開いて閉まる音。
しばらく待ち、ドアを開ける。脱衣所のカゴの中には、キチンと畳まれた服が置いてあった。半透明のドアの向こうでシャワーの音もする。
大丈夫そうだな。
スウェット上下と包装されたままのパンツと、箱に入ったままの歯ブラシも置いておく。棚からタオルを出して、着替えの横にセット。
これでよしと。
満足した俺は寝室へ入り、やっとスーツを脱ぐことにした。
部屋着に着替えていると、頭にタオルをかぶったユウが寝室をヒョコッと覗いた。
「お風呂ご馳走さまぁ」
頬はポッポとピンクだけど、出てくるスピードはかなり早い。
「ちゃんと湯に浸かったの?」
「うんうん。いいお湯でした」
そう言ってちょこんと頭を下げる。
「ちゃんと温まったのならいいけど」
どうしようか。疑いたくはないけど、風呂に入るのは無用心かもしれない。
そもそも俺は、人見知りではないけれど慎重な性格で、初対面の人間を部屋に上げるなんて今まで一度もしたことがない。
どうしてなのか。気づいたらこの状況。
でもそれを、どこかで楽しんでいる自分もいる。アルコールのせいだろうか?
「えっと……じゃあ俺も、風呂行ってくるから。テレビでも観て待っててくれる? あ、そうそう。ソファ倒してベッド作っておくし」
「うん、勝手にやってるから入ってきていいよ」
「お、おう」
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