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「もしもーし」 『俺ぇ。いーま電車乗った~。って言っても実家でたところ。多分五時くらいになると思うから、また連絡するよ』 「おう。気をつけて」 『じゃねぇ』  人の良さそうな笑顔が想像できる嬉しそうな声。  よっぽど実家が退屈だったんだろう。  通話が途切れるなり、ユウが触れるだけのキスをしてきた。まるで会話が終わるのを待ち構えていたみたい。積極的でくすぐったい。  携帯をポケットへ滑り落とすと、啄ばんでくるユウの唇をもっと味わうべく腰を引き寄せ、ユウが逃げないよう、もう片方の手でうなじを包んだ。  甘い甘い、チョコ味のキス。  そしてまたキッチンっていう……。  ユウはエロいのだと思う。なにもしてなくても、ただ立ってるだけで。  本人は意識してなくても、人を惹きつけるものを放出し続けてる。そんなユウがシャワーを浴びて、いい匂いをさせている。  誘われている気がした。  こんな場所でも。いや、こんな場所だからこそ?    ユウのたかぶりを腿のところに感じた。俺もそうなってる。ゴムも買ってきた。楠木がくるまでにあと三時間弱ある……昼間だけど、シていいかな。  グルグル考えてると、今度はメールの着信音。  あとでいい。ユウの髪をまさぐり、腰を引き寄せていた右手でキスしながら耳をくすぐる。ユウが重なる唇のすきまから深く息を付いた。  背中に回した手をしがみつくみたいに上にずらし肩を掴むと、反対の手で俺の股間を撫でてきた。
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