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全身性感帯なのかも。こんなエッチだし。
ふとももを撫でていた手を、足の付け根の方へ伸ばす。ユウは太ももを撫でる手を握り、俺の体をギュウウと足で挟んだ。
これ以上触っちゃダメ? そんな風にされると余計に弄りたくなるよね。
ユウが抑えるのも構わず、胸の突起を舐めながら、下腹を撫でた。ピクンと震え縮まっていく体。
「まぁ、はわ……慌てても仕方ない、動いたらまた教えてよ。別に今日が無理なら、明日でも……」
そう言った途端、楠木の嬉しそうな声が響いた。
『あ! アナウンス流れた! 点検終わったって! 良かった!』
「お、おお。そっか。良かった」
頭に乗っていたユウの左頬が右頬に変わる。おねだりしてるみたい。
『って、言ってもまだ県内だから。わりぃ。一時間くらい遅れると思う。六時か六時半かなぁ』
「了解。丁度いい時間じゃん」
通話を終えて、ギュウウッと締め付けるユウを見上げ、半分笑って言った。
「残念、電車動いたんだって」
「一時間増えたんでしょ?」
「今何時だ? 四時か。うん。二時間ちょいあとって感じらしい……」
「あと二時間も気持ちいいコトできるんだ?」
他人事のように話すユウ。
俺は薄暗くなりつつあるリビングを背にしたユウを見つめた。
気持ちいいのが好きなだけ? 俺は多分、自分で思うよりユウに惹かれているよ。
「ヒロ君に見られてるだけでゾクゾクしちゃう」
話す言葉が全て、人を煽っているようなユウ。その言葉は俺へ向けられているのか、誰にでもそうやって囁いてきたのか。考えると迷路に迷い込んでしまいそうになる。
「……好きだよ」
答えが欲しくて言葉にした声は、情けないけどちょっと震えていた。
俺の頬を華奢な手が包み持ち上げる。
ユウが頭を落としキスして、囁いた。
「俺も好き」
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