ディフェンダー・ストッパー

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  「それで? どうした、なんの相談?」 「花、実は」  その出鼻をくじかれた。浜田に口を挟む余地が無くなる。 「なんでもない! なにも相談なんかしてないよ!」 「ジェイ?」 「ごめんなさい、まさなりさん。でもだめなの。その人……俺のお友だちは話しちゃいけない相手っていうのがあって」 「はまちゃぁん、それ、誰のこと?」 (ひぇっ! あれは行きがかり上言っただけで…… 花ぁ、目が据わってるよぉ……) 「なんで浜田さんに聞くの!? 浜田さん、関係無いから!」 (こりゃどうしたもんか……)  ジェイが頑固になっている時の顔くらい分かる。そのレベルも。今見ている顔はかなり上位のレベルだ。 (しょうがない、ストレートに聞くか) 「でさ、浜ちゃんなに困ってんの? 俺でよけりゃ相談乗るけど?」  花はジェイを無視することにした。 「花さん! だから」 「なんだよ、お前は父さんに相談してんだろ? 俺は浜ちゃんに聞いてるんだよ」 「でも!」 「お前さ、『浜田さん関係無いから』ってさっき言ったよな。ならいいじゃん、俺が浜ちゃんになに聞いたって。そうだよな、浜ちゃん」  浜田としてはその言葉に『その通りだ!』と言ってしまいたい。けれどジェイが頑なに花を拒否しているのは自分が言ってしまった言葉を守ろうとしているからだ。それを思うと自分がやろうとすることが裏切りのように思えてくる。 (まったく! 世話が焼ける!) 花は浜田の隣に座った。 「俺さ、浜ちゃんの相談聞くのって初めてだよな。いつも茶化してるけど真面目な相談なら真面目に考えるよ。俺に話してみない?」 「花さん…… 本当? 本当に真面目に聞いてくれるの?」 「なんだよ! 俺が真面目じゃおかしいか? お前にだっていつも真面目だろ!」 「そうだけど。でも花さん、浜田さんをいつもイジメるし」 「花、本当だろうか。さっきもちょっとその話が出たんだよ。けれど君がいるから救われたんだと浜ちゃんは言ったんだ。どっちが本当なのかな、イジメているのか、それとも」 「父さん! 俺さ、確かにキツいし手加減しないしイヤな相手のことならどうでもよくなるけどさ! でも嘘はつかないし、いい加減なこともしない。知ってるはずだけど」  親子の睨み合いに発展するかもしれない、そんな危機感を持った浜田は自分の言葉で話し始めた。ジェイを通してではなく、ちゃんとみんなと目を合わせながら。  
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