【2】

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「耀くん! 今どこ?」 「……公園、あの、先生と……、あ、……来て、くれる……?」  今にも消え入りそうな弱々しい声が一瞬帯びる、微かな希望を見出したかのような響き。 「すぐ行く! 自転車で向かうから、──そう、十五分。待てるよね?」  考えるより先に言葉が飛び出していた。  行ってどうする。  心の中でそう思うのも事実だ。  だけど、行かなくてどうする! 耀くんに頼られたら応えたいんだよ。  もしかしたら、また後悔するだけの結果に終わるのかも知れない。  それでも、やっぱり俺は行ってしまうんだ。……行きたいんだ。これは俺の自己満足にすぎないんだろうか。だけど。  最初から無視しとけば、ってのは一歩踏み出す前にしか通用しない。だって俺はもう、走り出したんだから。それも自分から。 「せん、せ──」  涙声。もう言葉になっていない。  俺は彼に再度待つように念押しして、通話を終わらせる。  そしてスマホをポケットに突っ込んで、財布と鍵だけ掴んで部屋を飛び出した。
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