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「ひぅ……っ」
レクスの指がランの後孔に差し込まれた。ランは身をすくめたが、痛みはない。そこはすでにレクスを受け入れようと潤んでいたからだ。
「あっ、あ……」
「ラン、ラン……」
ランの中のレクスの指がうねうねと動く度に、ランは短く嬌声を漏らす。自分がこんな声を出すなんてと、混乱しながらも声はとまらない。その声に当てられたかのように耳元でレクスはうわごとのようにランの名を呼ぶ。
「ハッハッ……」
獣のような息づかいと共に、レクスはランの後孔に陰茎を押し当てた。
「あっ……待って」
「待てない……こんな匂いを振りまいておいて……」
「ああっ!」
ずぶり、とレクスがランの中に侵入してくる。アルファ特有の太く長いレクスの陰茎。
「やっ……抜いて」
「無理……だ」
張り詰めたノットがランの後孔をパンパンに押し広げる。レクスはランの足を掴んで前後に抽送を繰り返しはじめた。
「ああんっ……あ、駄目……動いちゃ」
「ランっ……は……」
グッと深いところを突かれて、ランは首を振った。苦しい。苦しいはずなのに、ランの体中に甘い快感が湧き上がる。
「やだ……頭ん中……おかしくなるっ」
カエルみたいに無様に足を広げ、その中心にレクスを飲み込む己の姿。ランはこんなのは絶対におかしいと何度も何度も思った。そして、その考えはレクスが体を揺する度に吹き飛んでいく。
「ラン……かわいい……」
そんなランの動揺と羞恥などお構いなしに、レクスはズルズルとランの内部を這い回る。その快感にランはうわごとのように声を漏らす。
「あぁ……はぁ……きもちいい……、きもちいい……」
自分は何を言っているのだろうとランは思った。どこかにいる理性とは裏腹にレクスをもっと飲み込みたい、くわえ込みたいとランの本能が絶叫する。
「ラン……俺も……こんなにきもちいい……」
「レクスっ、もっと」
「ああ……」
いつの間にかランはレクスにしがみついて自ら腰を振っていた。それに答えるようにレクスの動きも速くなっていく。
「あ、もう……」
「イクっ……イキそう……止めないで」
肌と肌のぶつかり合う音だけが静かな部屋に響き合う。それさえも二人の官能を高め、レクスはぶるりと身を震わせでランの中で果てた。あたたかいレクスの精液がランの中に注がれる。ランはその感触にすら悦びを感じ、自分もまた果てた。
「は……」
「……ラン、愛している」
脱力し、身を横たえるランにレクスは身を繋げたまま口づけを落とした。何度もくすぐるような、ついばむようなキス。そしてようやくレクスはランの中から陰茎を引き抜いた。
「……ラン。この後のことは俺に任せるんだ。いいね?」
「……」
レクスは無言のままのランの髪を撫でる。ランはただされるがままになっていた。
「……レクス、オレは……」
しばらく経ち、ランは隣のレクスが規則正しい寝息をたてはじめたのを見計らって身を起こした。
「……オレは、お前の『友人』だったのに」
そう呟いたランの瞳からは、涙が一粒こぼれた。
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