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「よろしく、おねがい…しま、す?」
(こう、言った方が、良いのかな?)
「良く出来ました」
満足げな顔の要は真澄の頭を撫で、ドヤ顔で司を見る。
「くっそ~っ!可愛い台詞、言わせやがってっ!」
「…そこも、張り合うトコ?」
「お前達のする事、見てて面白がろ…
そのスタンスが一番、面倒臭くなくって良いや…」
ムキになる司へ突っ込みを入れる晃に、呆れ果てる匡。
賑やかに時間は過ぎ…歓迎会は幕を閉じたのであった…
「ごちそうさまでした。お休みなさい」
部屋の片付けの後…真澄は礼儀正しく頭を下げ、リビングの扉を開けて部屋へ引き上げて行った。
彼女が居なくなるなり、司は可笑しそうに笑い出し…
要へ声を掛ける。
「悪い奴だぜ。だから、“魔王様”なんて言われんだ。
何時も何時も、てめ~の都合良い方向へ相手を誘導しちまう」
「知略と言え」
「俺も望むトコだったし。取り敢えずはグッジョブ!」
…彼等の話題は、先程の“リビングの鍵を閉めない”云々であった…
ひとしきり二人で笑った後…司は真顔になった。
「やっと…再会出来た…
抱き締めちまいそうになるのを、必死で我慢したんだ」
「俺もだ。今度こそ…ミィを護ってみせる」
右手の拳を握る司へ、要も同意を示した。
「なあ、何時…俺達が幼馴染みだったって、話そうか?」
「暫くは、様子見しよう」
「まあ、な…“過去”は、あのクソ野郎のせいで…
“恐怖のトラウマ”になっちまったからなぁ」
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