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「俺達を恐がらなかったのは…心の奥底で、覚えていてくれたんだろうか?」
「さあな。だが…そうあって欲しい、と想う…」
未だ少し湿った頭を撫でる司に応えつつ、要は右手で柔らかな頬に触れた。
「おやすみ…ミィ…」
コバルトブルーの瞳が優しく微笑みかける。
「また明日な」
ルビーの瞳も優しく微笑みかけ…二人は音も立てず部屋を出て行った…
(あの格好…止めさせんとな…)
「あのカッコ、止めさせね~とさ…俺、もたんぜ?
でも…目の保養っちゃ、そうなんだがな…」
(お前も同じ事を考えていたか…)
自分の想った事と同じ内容を口にする弟へ、要は目をやり苦笑した。
「まあ、“思春期”だから?
考えるコトは同じだろうぜ」
「だな」
二人は笑い合った後…各々の部屋のドアをくぐっていった…
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