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風香と唯斗の結婚式当日。
挙式は、海が見えるチャペルで行われた。
唯斗がガチガチに緊張して、ロボットのようになっていて皆吹き出した。
風香は白いベールに包まれ、白いウエディングドレスを着てバージンロードを歩く姿は、涙がでるほど美しかった。
蒼太が、俺の可愛い風香が!!と号泣するので、一輝は苦笑しながらハンカチを渡していた。
だが、颯の姿は見えなかった。
「愛子ーー!来てくれて本当にありがとう!」
挙式後、披露宴で風香は愛子を見つけると、愛子に飛びつくように抱きしめた。
「本当におめでとう。幸せになってね!」
風香は、幸せそうな笑顔で頷く。そして、愛子の耳元に口を近づける。
「今度は愛子と一輝と幸せになる番だよ。」
愛子は、風香の言葉に驚く。
「私は、、、」
「今も、一輝は愛子を思っているよ。ちゃんと話しなよ。」
「ありがとう。そうする。」
愛子は風香に笑う。
「風香、今日、颯は来てないの?」
風香は、少し顔を曇らせる。
"僕、まだ一輝と普通に会える自信ないんだ。ごめんね。でも遠くから優也さんと一緒に風香の晴れ姿みているからね!"
「うん。招待状渡したんだけどね。」
「そっか。」
風香はまたね、と言って他の来客者と話し始めた。
「愛子。」
愛子は声がした方に振り向くと、一輝が立っていた。
「一輝。久しぶり。」
「久しぶりだね。元気だった?」
久しぶりに会う一輝は、昔と変わらない優しい雰囲気のまま、大人の男性になっていた。
「うん。元気だったよ。」
「後で時間貰えないかな?話がしたいんだ。」
「いいよ。私も話したいと思ってた。」
「じゃ、また後でね。」
「うん。」
愛子は胸の高鳴りが止まなかった。
披露宴も終盤になり、新婦から親への手紙を風香が読む時がきた。
風香が手紙を読むにつれ、風香の頬に涙が流れていく。その言葉と涙に皆もらい泣きしてしまう。
だが、蒼太が酷く号泣するので、所々でクスクスと笑い声が聞こえてきた。
愛子も、笑い泣きしてしまった。
最後のブーケトス
風香は、後ろを向きながらも、愛子めがけて精一杯投げた。
そのために、風香の手にすっぽりとブーケがはまった。
愛子は風香にありがとうと言う。すると、風香がいきなり叫ぶ。
「愛子!!大好きよ!!」
唯斗が、「ちょっとー!それは俺に言う言葉でしょう?」
とツッコミ、周りは爆笑する。
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