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あの日を境に颯は精神的に追い込まれていく。食べたものは直ぐに吐いてしまう。一輝の嫌悪の表情と気持ち悪いという声が突然フラッシュバックし、魘されて眠れない。
「うわぁぁぁーーーーーーーー!!」
颯は錯乱し頭を殴り、髪をむしり泣き叫んで暴れる。その度に安定剤を投与されるというのが何週間も続いている。
また、優也にキスされそうになった時。
"気持ち悪い"
一輝の嫌悪する表情と声が蘇る。
「うぇーーーー」
颯は、気持ち悪くなり、優也の前で吐いてしまう。
「優也さんを愛してるのに。一輝の表情と声が浮かんでくるんだ!優也さん、ごめんなさい。優也さん、僕を嫌いにならないで」
優也は颯を抱きしめて大丈夫だ、愛していると宥める。
"やっと、幸せを掴んだのに。キスもできなくなって、優也さんに嫌われて捨てられたらどうしよう。神様、僕はあとどれくらい苦しめばいいのですか?"
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