Prologue

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「わかりました。私の罰、他人に受けさせて下さい」 あらあら、人間と言うのはエゴの塊ねぇ…… 自分さえよければ「他人」はどうでもいい。我々のような心も体も清らかな神々とは違い、醜男(ぶおとこ)の鍛冶の神が作り給いし土塊(にんげん)なぞ、この程度の存在か…… 嘆かわしい。癒やしの女神はそう考えながら、槍を狩人に向けて振った。 すると、狩人の目に光が戻った。僅かばかりでも光の有難みを知り木漏れ日より差し込む天使の梯子と、木々のざわめきを目に入れて、目が見えることの有り難みに感謝し、涙するのであった。 「これに懲りたら二度と女神の裸を見ようなんて考えないことね」 そう言い残し、癒やしの女神は狩人の目の前から去って行った。 狩人からすれば偶然見てしまっただけで垣間見感覚で見ようなどと言う考えは微塵も無い。明らかな不条理である。 狩人は不満こそあるものの、それを顔に出さずに光が戻ってきたことを感謝しながら家に戻るのであった。
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