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内輪もめ
「へんしーん」
俺は正義のしるし赤いスカーフを首に巻いた。
今日の舞台は橘のおやっさんのスナック内、俺はカウンターの上にカップうどんを置いて、戦いが終わってから食べるためにお湯を注いだ。いつもの折り畳みテーブルと違って素晴らしい安定感がある。
「へ~んしん、だよ」
あたしはそう言うと、飛騨の国から着てきたヤンガージャージを脱いで、あらかじめ下に着ていたピンク色のバニーガール的な姿に変身した。的なっていうのは、わけあって耳がウサ耳じゃなくて牛耳だからだよ。飛騨の国とか牛耳とか、そもそもあたしが誰なのか、詳しくは『別冊怪人と俺』を読んでね。宣伝終了よ!
「おぉ~、セクシーダイナマイト!」
「いやらしい目で見るな!お前みたいなヤツにリーダーの座は渡せないっ!あたしがお前を倒す!」
「戦隊ヒーローのリーダーはレッドと相場が決まってるんだ。ピンクのお前には譲れない!」
少年少女諸君、一体何が起きているのか俺から説明しよう!さおりんが採石場で生き埋めになって戦線離脱したから、飛騨の国から新たなヒロインを呼び寄せたんだ。その名はしおりん。さおりんとしおりん、区別しにくいから気を付けてくれよ、なんなら作者が間違える可能性もある。気付いたら誤字報告を頼むっ!
「あんたの説明は長い!読者が離れて行くわ。少年少女ちびっ子のみんな!あたしが手短に説明するね!」
ほんの少し前に橘のおやっさんのスナック内に拠点を構える『正義の公然結社「お前らぶっ潰す」』に着いたあたしはびっくりした。沙織先輩を差し置いて俺がリーダーだとか意味不明なことを言っている男がいたのよ。だからお前を倒して、今は亡き沙織先輩に変わってあたしが名実ともにリーダーになってやるって事になって今から戦うのよ!
「しおりんの説明も長いよ~、それと私は死んでないよ」
あ、沙織先輩につっこまれた。
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