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パワードスーツ
「しおりん、これ着てみて!」
「え、あ、はい」
沙織先輩は、なにやらゴテゴテした装備の付いた衣装を出した。
「構想1時間、設計2時間、制作3時間、合わせて6時間もかけて完成させたパワードスーツよ!しおりん用に作ったからピッタリジャストフィット間違い無し!」
あたしはパワードスーツを着ようとしたけど、重くてうまく着ることが出来ない。アタフタしていると全身白タイツの2人組が手伝ってくれた。誰?この人たち。
「ざっくり説明しよう!」
沙織先輩が人差し指を上げて説明を始めた。
「悪の秘密結社を解雇された後、おやっさんに雇用され黒タイツから白タイツになった人たちよ」
ざっくりし過ぎでよくわからない。
「詳しくは『怪人と俺15』を読んでね!」
さすが沙織先輩だ。しっかり宣伝を挟んできた。うん!後で読むよ!とりあえず白タイツさんは味方ということね。
パワードスーツを装着する間、レッドは待ってくれている。お約束は守れるってわけね。あたしもこの間に決め台詞を考えなきゃ。
15分かかって装着が終わった。上半身がパワードスーツで覆われた。あたし用に作られただけあってピッタリだ。慣れてきたらきっと5分で装着できるわ。
「バッチグー。ジャストフィットね!」
バッチグー?
沙織先輩が嬉しそうに拍手してくれた。期待に応えて頑張らなきゃ!
それにしてもこのパワードスーツ…重い…でもそれに見合うだけのパワーがあるってことね!
待ってる間にカップうどんを食べ終えたレッドが立ち上がった。さあ決め台詞を言うわよ!
「装着完了!元気1000倍パワーアップ!パワードヒロインしおりん、だよ」
「格好悪いぞ」
レッドが笑いながら言った。
「なんですって!そんなこと言う人はやっつけてやる!かかってきなさい!」
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