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子供会は毎日準備をするのかな、と思っていたがそうでもない。
準備出来るのは金曜の五、六時間目の道徳の授業を使うようだ。太陽の家での交流会は食後をメインにみんなで進めていた。そうして、あまり子供会の準備があまり進まない中、太陽の家での交流会の日が訪れた。
園庭で待機している間も多くの子が走り回っていた。
「楽しみだな〜!」
アキ、碧斗、みこちゃんが一番はしゃいでいる。
「そういえばさ、お姉ちゃんなんでお土産作りあんまりやらなかったの?」
と、不満げにアキは頬をふくらませた。アキの頭を撫でながら「ごめんね」とユキちゃんはつぶやいた。
ユキちゃんは最近あまり生活部屋にいなかった。忙しかったのだろうか。真剣な表情でゆりちゃんと話していた姿も見かけた。ユキちゃんの中で何かが変わるのかもしれない。
──しばらくして賑やかな声が聞こえた。
アキやみこちゃんより小さい子たちが、職員さんに手を繋がれたり、抱っこされながら歩いてきたのだ。パッとアキは顔を明るくして、入口へ走っていった。
今回来るのはゼロ歳から年長までの二十人らしい。一人でも減ればいいのにと思う。殴られない、新しい家が見つかればいいのに。
園庭には太陽の家の小学生約四十人と小さい子が二十人がみっちり並ぶ。そして大人たち流石に狭かった。
これから開会式がてら、太陽の家でのルーティンを披露する。一日の過ごし方、というミニ演劇のようなものだ。準備期間中、みんなで練習した。
声が出ない僕は掃除する役。みんなの前の出るのは緊張して怖いけれど、何もしない自分が嫌で出ることを決意した。
なりより、モトが同じタイミングででる。頑張ろう、と小さくうなずいた。
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